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桜川

やってきました第4弾!!お家で浮世絵★

いきいき桜川・浮世絵セミナー★
森山先生より今月も「浮世絵でたのしむ江戸のあれこれ」を頂きました!

 ↓ ↓ 以下全文掲載 ↓ ↓

【浮世絵でたのしむ江戸のあれこれ】

令和3年5月吉日

 

皐月も半ば。さわやかな初夏を迎えましたが、なおも辛抱の日々が続いております。いかがお過ごしでしょうか。

先月に続きまして読み物をご用意しました。お付き合いいただけますとうれしく存じます。

 

さて、今回ご紹介するのはかの葛飾北斎の「冨嶽三十六景」より「山下白雨(さんかはくう)」。北斎の代表作とされる「冨嶽三十六景」のうちでも特に人気のある一枚です。

主役は堂々とそびえる富士山。「白雨」とは雲の薄い明るい空から降る雨、つまりさっと降るにわか雨や夕立をさし、夏の季語です。雲や稲妻が見えますが、それは「山下」のこと。天候などものともせずに存在する富士山の大きさ、尊さが伝わってきます。

富士山は古くより崇拝される特別な山です。『萬葉集』(巻第三 雑歌)に載る山部赤人の歌には「渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくそ 雪は降りける 語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ 富士の高嶺は」とあります。富士山が高く神々しいため、太陽の姿は隠れ、月の光も見えず、白雲も進みかね、時ならず雪が降る、というのです。北斎が描いたのは、まさにこのような富士山であるように思います。

江戸の人々は日本一の富士山をこよなく愛し、江戸のまちからは富士山がよく見えました。登山はなかなか容易にはゆきませんが、遠くからでも拝むことはできる。離れた場所から拝むことを「遥拝(ようはい)」といい、富士山は人々の心の支えのような存在だったのでしょう。

何事もままならぬ今こそそのような存在が必要であるように思いますし、北斎のこの浮世絵は時代を越えて遥拝をともにするようで、清々しい気持ちになります。

 

https://www.artic.edu/artworks/77331/shower-below-the-summit-sanka-hakuu-from-the-series-thirty-six-views-of-mount-fuji-fugaku-sanjurokkei

 

画像はシカゴ美術館のものです。上記のリンクから拡大してご覧いただけますので、どうぞじっくりとご覧ください。

今回はこれにてお開き。また皆さまにお目にかかりますことを心待ちにしております。

 

「浮世絵セミナー」講師 森山暁子

※リンク先は英語表記になっています。