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浜町

メダカ、浜町産まれ

浜町敬老館には屋上庭園があり、ししおどしの跡などもあって、かつては風情のある眺めが見られたようですが、それも今となっては昭和の面影として残るばかりです。季節には色とりどりの花が咲き誇り、こぼれ落ちたヒマワリの種が発芽して伸びていたりした事もありましたが、近頃覗きに行って驚いたのはメダカの数です。長らくメダカも飼育していましたが、温かくなってかなり繁殖したとの事です。中にはメダカとは思えないような大きな個体もあり、非常に元気に水槽の中を泳ぎ回っています。

浜町敬老館の庭にメダカがいるよ!という情報はかなり出回っており、利用者のみならず、併設する児童館、保育園からも子供たちが貰いに来たりしています。コロナが明けて、多世代交流も可能となった為、より多く子供たちに分けてあげようと、運搬用の容器も常備しています。

子供の頃、音楽に興味を持って、私はいつもラジオから流れる曲に耳を凝らしていましたが、そのうち、録音していつでもお気に入りの曲を聴きたいと思うようになりました。レコードショップや家電量販店からカタログを持ち帰って、ようやく格安のカセットデッキを見つけて、親に購入をおねだりして販売店まで連れて行きました。

ところがその時親は「どうせ聞くならちゃんとした音で聞いた方が良い」と音楽用のカセットデッキを買ってくれました。それがきっかけとなって、私は多くの音楽を知る事となり、本日に至るまで、最も重要な趣味となっています。

そんな趣味の一環が音響の業務や、音楽イベント企画など、仕事に繋がっていった事もありましたが、ミュージシャンになるような才能には恵まれていなかったようです。しかし学習塾に勤めていた時、「若いうちに何にでも興味を持とう!」と、生徒たちに話せた事が、私にとっては何より意味が有ったと思います。このエピソードは多くの生徒に向けて、”きっかけ”の重要性を伝える話となっていったのです。

小さな容器の中を泳ぎ回るメダカを見ていると飽きる事が有りません。小さくて繊細な生き物ですが、ちゃんと育ててれば、ちゃんと卵を産み、稚魚となります。子供たちにそんな経験をしてもらう事は、彼らの未来の何かに繋がる可能性が有る。そんな事を想像しながら、この浜町産まれのメダカには限りない可能性を感じてしまう、というのは言い過ぎでしょうか?そんな事はありません。あのソニーの一台のカセットデッキがそうであったように。

5月 貞嶋