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桜川

お家で浮世絵★第3弾!!

今月も、いきいき桜川・浮世絵セミナー、
森山先生よりお家で浮世絵を楽しもう第3弾いただきました♪

↓ ↓ 以下全文掲載 ↓ ↓

【浮世絵でたのしむ江戸のあれこれ】

令和3年4月吉日

 

【浮世絵でたのしむ江戸のあれこれ】

令和3年4月吉日

 

卯月も半ば。葉桜のやわらかな色が美しい季節となりました。辛抱の日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

先月に続きまして読み物をご用意しました。お付き合いいただけますとうれしく存じます。

 

さて、今回ご紹介するのは歌川広重の「名所江戸百景」より「亀戸天神境内」。

向こうに見えるのは太鼓橋、手前には満開の藤の花が描かれ、燕が飛んでいます。亀戸の天神さまは今も変わらぬ藤の名所ですが、同じように写真に撮ろうとすれば今ならスカイツリーが映りこむことになりましょうか。

 

https://www.artic.edu/artworks/34103/precincts-of-kameido-tenjin-shrine-kameido-tenjin-keidai-from-the-series-one-hundred-famous-views-of-edo-meisho-edo-hyakkei

 

「名所江戸百景」は広重が最晩年に手掛けた作品ですが、その刊行には大地震が関係しているともいわれます。安政2年(1855)10月に発生した大地震は江戸に大きな被害をもたらし、亀戸付近は推定震度6程度であったとされます。この絵が描かれたのはそれから1年も経たない安政3年7月。大きな災害があっても、いつものように藤が咲き、燕がやって来る。その伸びやかな姿には季節がめぐることへの感謝が込められているように感じられますし、コロナ禍の今にも通じるものがあるかもしれません。

ところで、浮世絵には最初に摺られる初摺(しょずり)と、後に増刷された後摺(あとずり)があります。実は初摺はこちらです。

先に挙げた後摺とどこが違うのか、それはなぜなのか…ぜひ考えてみてくださいね。

 

 

https://www.artic.edu/artworks/150303/precincts-of-kameido-tenjin-shrine-kameido-tenjin-keidai-from-the-series-one-hundred-famous-views-of-edo-meisho-edo-hyakkei

 

画像はいずれもシカゴ美術館のものです。上記のリンクから拡大してご覧いただけますので、どうぞじっくりとご覧ください。

今回はこれにてお開き。またお目にかかりますことを心待ちにしております。

 

「浮世絵セミナー」講師 森山暁子

※リンク先は英語表記になっています。