平成29年度のブログ
100歳を健康で迎える為に
平成30年2月24日(土)浜町健康講座として「戦国武将に学ぶ最新の健康長寿法」を開催しました。
日本人の寿命100歳時代に先駆け、「いきいき浜町」では100歳を健康で迎える為の数々の事業を行っております。
その中でも、リハビリ、筋力増強、健康維持の運動系講座は非常に充実しており、これからも継続して更なる拡大を図っていこうと考えています。しかしながら、運動系に比べ、健康の為の知識を取り入れる講座に関してはまだまだ不十分であり、何か無いかと思案していた所、今日ご紹介する「松島勇次先生」に行き着いたのです。
松島先生は日本成人病予防協会認定講師、健康管理士上級指導員など、数々の肩書をお持ちで、講座前にそのご紹介は省いたほどなのですが、講義中、ご本人もその事についてはあまり触れられませんでした。
と言うのも、彼は10数年以上に亘り、高齢者と膝を交えての健康相談を行っており、その中で数々の講座を開催してきたのですが、いつしか感じた事があるそうです。
それは現代の権威と呼ばれる方々の講座があまりに学術的、とりわけ医学の分野についてはレベルが高過ぎて、多くの身近な問題に答えていない。更に、受講する側も、本当にご自分の知りたい事、聞きたい事が知らされていないにも拘らず、率直にそれについて質問をする事が出来ていない。これは私も経験した事が有り、自分の病気の事なのに、担当医に気を遣って言葉を選んだりしているうちに、聞きたい事が聞けず、言い知れぬ不安に苛まれたりしたものです。
肩書が、時にはコミュニケーションの妨げになる事がある。講座を開催する為に肩書は必要だが、受講される方にはさほど意味を成さないと言うお気持ちが有るようです。
そんな場面に長く直面して来た彼は、常に受講者と同じ平野に立った講座を心掛けているそうです。ですから、お人柄もすっかり権威とは程遠く(失礼)、当日は、朝礼で「先生っぽくなく、元気で明るい方が来たらその方です」と話したら、「利用者と間違えますね」と返され、“確かに”と思いました。
実際の講座はプロジェクターとレジュメの内容となっており、普段は2時間の内容を1時間に纏めた為、「ちょっと早足かな?」と心配しましたが、終わってみれば、すっかり先生のお人柄が皆様に通じており、非常に和やかでした。更に質疑応答では、識者と目される利用者様からも「大した知識だ!」とお褒めの言葉をいただくなど、感嘆と笑いの中で講座は終了しました。
それで先生が退室、と行きたい所だったのですが、当然そうは行きません。終わる事のない質問の数々、でもこれがこの先生の真骨頂です。「何でも、幾らでも答えますよ!」と先生もスイッチオン。私もしばしその場景を眺めていたのですが、パーソナルな場でないにも拘らず、皆様が様々な健康問題を躊躇なく質問して下さる事に少し驚きました。で、これもアリかなと。
「これは定期的にやらなくてはいけませんよ!」と言う数々の強硬意見に押されるまま、4月からの開催を決めたのですが、講座1時間、以降ディスカッションみたいな形で行う事を提案し、先生も「それが良い」と賛同していただきました。
今回講座の内容について殆ど説明出来ませんでしたが、ご自分の目でお確かめいただく事が最良の方法と考えます。松島勇次先生の「健康長寿講座」は4月のいずれかの土曜日、朝10時半からお昼くらいまで、詳しい日付については後日発表致します。当日先着順、教養室で行う予定ですが、変更が有るかも知れませんので、随時「いきいき浜町」にてご確認いただきますようお願い申し上げます。
歴史の真実はどこに?
平成30年1月20日(土)大広間にて、日本の歴史を紡ぐ講演“元禄赤穂事件”「南部坂 雪の別れ」を開催しました。講師の織茂一行先生は、旧知の歴史研究家で、浜町の利用者様であれば、間違いなくマッチすると、いつかはお願いしたいと思っていた方です。
たまたま私が連絡を取っていた高齢者団体の役員を彼が務めていた事もあり、「あの館長か!」と最初は久し振りに話でも、位の気持ちでご連絡をいただいたのですが、あれよあれよという間に話が進み、今回の開催に繋がったわけです。
この先生の講演には重要なテーマがあります。最近はテレビ等でも良く取り上げられるようになりましたが、日本の歴史は勝者の歴史であり、いわゆる教科書に載っている様な記述には間違いが多い。気の遠くなる様な量の古文書や文献を読破し、最も事実に近い歴史を見つけ出す。彼はそんな試みをかなり昔から行っており、間違いなくその第一人者と言えましょう。従ってその内容の多くは目から鱗、若しくは衝撃を持って受け止められます。
一度先生のご自宅を訪問した事が有りますが、”ここは神田の書店か?”と、しかも皆埃一つ被っておらず、知識の上書きの為、確認の為、常に何度も読み返すそうです。「平家物語」から「戦国時代」何でもござれ!との事で、ただただ驚くばかりでした。
そこまでの情報は盛り込めなかったものの、中央区の広報に開催記事を掲載していただきました。しかし、当日の入りは全く読めません。レジュメも当日の流れで追加コピーする事とした為、全く入らなくても、入り過ぎてもドタバタになる。ちょっと不安でしたが、教養室では入り切らず、大広間で丁度の人数でしたので、ホッと胸を撫で下ろしました。
しかし次なる心配はその内容です。何しろこの先生、当然の如く、知識が半端なく、有り余る情報をその熱情でもって語り尽くすものだから、中には付いて来れない人もいる。しかもその講演時間は丸々2時間です。でも私はここの利用者だったら絶対いけると信じていました。
時間となり、何の助走もなくすぐさまトップギアで始まった先生の講演は、昔見たままの姿でした。静まり返った大広間には、いつもの“織茂節”が全開で響き渡るのみ。“みんな分かって聞いているのだろうか?”一抹の不安がよぎります。しかし講演途中で驚くべき事が起きました。
内容量の多さ故、「時間を忘れてしまうから」と言う理由で休憩の時間を合図して欲しいとの依頼が有ったのですが、先生自らが気付き、「それではちょっと休憩を…」と話を止めたのですが、館内は静寂のまま、誰も席を立とうとはしません。“あれ、どうしたの?”と私も少し焦りました。すると「続けて下さい!」「うんうん」と言った囁くような声があちらこちらから。これには先生も驚き、「いや休憩を入れなくて怒られる事はあったけど、休憩要らないってのは初めてですよ~」と思わず唸っていました。
結局休憩は入れたものの、皆さんすぐに戻って来られて再開、後半は先生のちょっとしたジョークにも笑いがこぼれるなど、結局2時間以上、ぎゅうぎゅうに詰まった講演となり、皆様からは「また聞きたい」の声声声…。「やります、やります、4月から定期的にやりまーす!」とつい私も勢いに乗ってしまい、「休憩なしの、1時間半、質疑応答付きでどうですか?」とお話しすると拍手が起こりました。
余りに嬉しかったので、思わず先生に尋ねました。「浜町の利用者さん、どうですか?」と、すると先生も同じ感触だったらしく、「いやこんなに真面目に聞いてくれる生徒さん達はいない、素晴らしいですよ」と、そして「次回、赤穂の続きから入ります」と思わず“聞いてないよ~”の次回予告まで飛び出して、やる気満々のご様子でした。
織茂一行先生の歴史講座は4月から月2回、毎回テーマを変えて、大広間で開催する予定です。レジュメは館で用意しますが、大広間にはテーブルが無い為、筆記が必要な方はバインダーの様な下敷きをお持ち下さい。なるべく多くの方々に聞いていただきたい内容ですので、申込は不要です。当日直接いきいき浜町までお越しくださいませ。追って詳細の発表を致します。
孤立防止・生きがい推進担当より
新年あけましておめでとうございます
1月4日(木)、中央区の賀詞交歓会が区立総合スポーツセンターで開催されました。
高齢者の社会的孤立防止を目的に、昨年4月から日本橋地区の担当者として活動してきた中で、知り合えた町会長さんや民生委員の方々が出席されるということで、私も館長と参加してまいりました。
会場で今回初めて名刺交換やあいさつさせて頂いた方も多く、私にとって有意義な交歓会となりました。
今年もさらに活動を拡げ、地域の皆様とより深く連携して、お役に立てるようがんばっていきたいと思っています。
本年度も何卒よろしくお願い致します。
「The縁」ライブレビュー
平成29年12月17日(日)かねてから希望していた「おやじバンド」によるバンドライブが、当館ギター教室講師、山中和博さんのご尽力により、遂に実現しました。
「おやじバンド」と言えば、かつては30歳も過ぎていれば、普通にそう呼ばれていたものですが、今はその倍の年齢であっても、まだまだ感が否めません。
海外のアーティストを見ても、1970年代に登場した多くのロック世代が、今でもバリバリに活躍しています。1年ちょっと前にライブを観に行ったロックミュージシャンは、還暦を過ぎてピアノを習得し、ボイストレーニングによって、過去最高のパフォーマンスを披露していました。余りの出来栄えに驚嘆し、思わずその衝撃を当時開いていたブログに書き綴ったものです。
“ブライアン”山中率いる「The縁」は更に上のビートルズ世代です。今回のライブの為に仲間を集ったとの事ですので、久し振りに楽器を持ったというメンバーもいたようです。「期待しないで!」と言われていましたが、どっこいスタートすると、のっけからくりびつてんぎょう!ばっちりグルーブしているではないですか!!
演奏、歌唱とも非常に安定しており、怪しくなる事が有りません。「ホントにこれが初ライブ?」「やってたでしょ?」と言いたくなるほどの一体感でした。
しかもセットリストの通り、そのレパートリーは多岐に亘り、知ってる曲では一緒に口ずさんで気持ちが良い、ちょっとしたシンガロン状態。更にこの日の為にマスターしたという「ひよっこ」の主題歌までご披露いただいて、最後の最後まで楽しめるライブとなっていました、
そして歓声の中、無事ライブは終了し、「The縁」のメンバーには温かい拍手が送られました。バンドのスタートとしては最高だったと思います。これからも末永く活動を続けていただきたいと心より願います。
「おやじ」と言ったら失礼ですが、紅一点のドラマー“B子”村上さん。当初プロフィール写真で「一人だけ若い子がいる」と思い込んでいましたが、そのプレイ振りを見た後では、“やはり年齢を偽っているのでは?“との疑惑の念が晴れません。
最後ステージ上からBryanが語った通り、「音楽、楽器を通じて“縁(円)”を拡げてゆく」と言うコメントは、敬老館の設置目的にも合致する所があり、有難い事です。浜町ギター教室は第1第3日曜日、10時からです。ギターを持っていきいき浜町に集まりましょう。
余談になりますが、ライブスタート前の紹介時、皆様に「突然大きな音が出ます、驚かないで下さい」とお知らせしたのですが、終了後、ご観覧の方から「私たちはみんな耳が遠いから大丈夫だったわよ~」とお声掛けをいただき、笑ったり、ホッとしたりでした。
これは半ばご冗談のお話でしたが、もしもの為に、当館では「筆談器」を常備しております。ブギーボードと呼ばれる物ですが、ワンタッチで文字が消えて、後に残りませんし、当事者同士以外には内容が見え辛い作りになっておりますので、音声、ゼスチャーなしでも円滑な意思疎通が可能です。是非、ご利用下さいますようお願い申し上げます。