小さな使者たち
第二次世界大戦中の東京大空襲で焼失する前は、ここに浜町小学校があり、今現在の浜町児童館と浜町保育園と同じように、賑やかな子供たちの声が聞こえていた筈です。今浜町敬老館に来館される方々でさえ、多くがその次の世代となるので、当時の話はあまり聞くことが有りません。ただこの子供たちの歓声がある限り、今もその記憶は確実に引き継がれていくのだと思います。
1階に保育園、3階に児童館と、敬老館はそんな若々しい息吹に挟まれ、いつもパワーをもらっているので、ここに集う方々はいつまでも年を取りません。これ冗談でなくて、本当にあると感じています。時に子供たちの絶叫に近い声が聞こえてきても、ここの利用者は皆涼しい顔をしています。見習うべき点が多々あると思います。
長いコロナ禍の中で、そんな子供たちと接触する機会は避けられて来ましたが、今回、漸く久し振りに子供たちと交流する機会が設けられました。敬老館の玄関先での僅かな時間ですが、児童館の子供たちが手作りしたしおりを、当館利用者が直接手渡しで受け取りました。利用者のあふれんばかりの笑顔をここでは公開出来ないのですが、皆大喜びで、まともに若いパワーを浴びて、確実に少し若返っていました。こうして日本の高齢者の平均寿命はまた少し延びたかと思います。
これに応えて、当館職員がこのしおりに負けないポップの作成に取り掛かりました。今この文章を書いている私とどちらが早いか競争していますが、どうやら私の勝ちのようです。隣席から別の職員が「凝り性だね~」と横やりを入れても無視しながら没頭しています。でもこうした事は気持ちと気持ちのやり取りなので、多少時間が掛かっても注意はいたしません。思いのまま、続けるべきです。そのうちドンキからスカウトが来るような、立派なポップが出来るんじゃないかと期待しています。
9月